既に色々なところで報告されている、既に色々な方がそう思っていた、という2つの意味で今更な気がする報告ですが、Yahoo!でメタ・キーワードがSEOとは無関係であることが公にされました。この機会に、Yahoo!だけでなく他の検索エンジンの対応も含めて、メタ・キーワードに関してまとめてみることにします。

Yahoo!はこれまで「まだmeta keywordsタグのcontent属性値もインデックスに取り込んでいるが、それでも検索順位の決定には使わず、コンテンツの発見のためだけに使う」というような態度でした。しかし、今回のSMX EastでYahoo!の代表であるCris Pierry氏がYahoo!が数ヶ月前にメタ・キーワードのサポートを終了したことを報告し、Yahoo!の姿勢がようやく明確になりました。

先日のGoogleの発表と併せて、これで主要な2つの検索エンジンでメタ・キーワードが無視されることになり、SEO効果を考える上でメタ・キーワードを利用する価値がほぼ無くなってしまったといっても良いでしょう。

※Googleはサポートするメタタグを公開しています。詳しくは以下をご覧下さい。
メタ タグ – ウェブマスター/サイト所有者 ヘルプ

但し、「メタ・キーワード・タグにさよならを」していいのかどうか、ということに関しては少し考えざるを得ない要素もあります。

SEOというよりはむしろLPOやインフォメーション・アーキテクチャの仕事に繋がるような部分で、キーワードは未だ役に立つ可能性が残されているからです。Bingは公式ブログに投稿された記事『head’s up on <head> tag optimization (sem 101)』の中で以下のような見解を示しています。

The <meta> tag’s keyword attribute is not the page rank panacea it once was back in the prehistoric days of Internet search. It was abused far too much and lost most of its cachet. But there’s no need to ignore the tag. Take advantage of all legitimate opportunities to score keyword credit, even when the payoff is relatively low. Fill in this tag’s text with relevant keywords and phrases that describe that page’s content.

When creating keyword text, remember the following:

  • Choose words that may be secondary keyword terms (save the primary keywords for use in the <title> and <meta> description tags), and even include a few, commonly seen typographical errors of primary keywords, just for good measure
  • Limit your keyword and key phrase text, separated by commas, to no more than 874 characters
  • Don’t repeat a keyword more than 4 times among the keywords and phrases in the list

メタタグのキーワード属性は、かつてインターネット検索の先史時代にそうだったような検索順位の解決策ではありません。それはあまりにも多く乱用され、その名声のほとんどを失ってしまいました。ですがタグを無視してよいわけではありません。利得が相対的に低い時であっても、キーワードの信頼を得るための全ての合法的な機会は活用すべきです。このタグにはページの内容を示す関連するキーワードとフレーズを書いておきましょう。

キーワードのテキストを作成する際は次のことを覚えておいてください。

  • 最も重要なキーワードはタイトルタグとメタ・ディスクリプションタグに置いておき2番目に重要なキーワードを選び、より良い対応として、いくつかの共通して見られる最重要キーワードの打ち間違いを含むようにしおくのが良いでしょう。
  • キーワードを半角874文字以内に制限し、カンマで区切ってください。
  • キーワードと複合キーワードの中にキーワードを4回以上繰り返さないようにしましょう。

ただ、こういう見解も長く続くかどうかは定かではありませんし、その場合でも問題はSEO効果ではなく、インデックスされるかどうかです。メタ要素キーワード属性がクローラーに無視されてしまう、あるいは意図的に取り込まれないようになっている場合、こうした使い方自体に意味がなくなってしまいます。さらに、Googleのように「もしかして」検索が充実してくると、この部分を検索エンジンそのものに任せてしまうこともできるでしょう。

一方で、AskとBaiduは依然としてMETAキーワードをサポートしているという報告があります。

Baiduに関しては確かにSEO効果のほどは分かりませんが、私が調べた限りではメタ・キーワードをインデックスしているようです。しかしながら、少なくとも日本の検索マーケットを考える上でBaiduが占める割合は非常に小さいのが現状です。国際的にSEOを行う上では検証する価値が十分にあると思われますので、中国を含む国際的な市場をターゲットにしているサイトは、引き続きメタ・キーワードを使うことを検討しても良いかもしれません。

SEOmozにRand Fishkin氏によって投稿された記事『完璧に最適化されたページ?-キーワードターゲティングとページ内最適化のSEOを極める(前編)(原文: How Do I Build the Perfectly Optimized Page? – Perfecting Keyword Targeting & On-Page Optimization)』では以下のような記述があります。

検索エンジンの中で、適切なページを見つけるためにmeta keywordsタグを記録して活用しているのはヤフーだけだ。ただし、厳密に言えば、これを順位決定に利用しているわけではない。とはいえ、マイクロソフトのBingがヤフーの検索エンジンに取って代わることになっているから、このタグを使う理由もついに消滅してしまった。というわけで、競合相手にキーワードを知られてしまう危険も考え合わせると、僕たちSEOmozとしては、meta keywordsタグを使うことは絶対に薦められない。

キーワードをこのまま使い続けるにせよ、ページのヘッダから削除してしまうにせよ、はっきりとしていることは、検索順位を上げるためだけにメタキーワードを使う意味はほぼ無くなっています。但し、ウェブサイトのターゲットや種類によっては今後も継続していく意味もあると思います。私個人としては、もうしばらくはキーワードをいくつか置き続けてみたいと考えています。

参考記事